私がフィリピンに初めて出会ったのは、もう20年ほど前のことだ。
そのとき私はまだ大学生で、卒業旅行でどこか海外に行きたいと思っていたのだ。当時はタイが海外旅行人気スポットだった。私と私の友人の男2名での海外旅行だ。お金もないから、やはりアジアの旅行でタイを目指そうと思ったのだ。しかし、タイ行の航空チケットが手に入らなかった。タイ行の飛行機が満席だったのだ。すると、旅行会社の方からセブであれば空きがあるとの連絡がはいった。
セブ??
どこの国だ? 当時の私は無知だったからセブがどこの国なのかも知らなかった。
これがフィリピンとの最初の出会いだ。私の中のフィリピンは、汚く、治安が悪いイメージ。警戒心を持つのは当然だった。だが大学を卒業する前に海外旅行にどうしても行きたかった。こうしてセブ行が決定した。
東南アジアは物価が安いと思っていたので、貧乏学生だが色々遊べるだろうと考えていた。私はダイビングが好きだったから、ダイビングもしたかった。しかし、セブはリゾート地で、なんだかんだでお金がかかった。
治安が悪いイメージだからセブ島に到着したとたんに怖くなってきた。ホテルも何も日本からは予約してきていない。ぶっつけ本番の旅。唯一の救いは、一緒にセブを旅した私の友人は英語が堪能だった。
10日間の滞在予定で、ホテルに宿泊したのは、そのうちの3泊くらい。あとはフィリピン人の家に宿泊をした。お金がないから、宿泊できる民家を紹介してもらったのだ。何も知らないというのは、ぼった李のターゲットだ。案の定、物価もよくわからなかったので、高いものを買わされたりした。ただ、騙されたりしたがなぜかフィリピン人を嫌いにならなかった。
旅行の後半は、ほとんど何もせず、民家に宿泊しながら、知り合ったフィリピン人のおばちゃんの家で、食事をご馳走になったりしていた。私はとても居心地がよく感じた。そして、何よりもフィリピン人の友達を作ることができたことがうれしかった。外国人の友達ができたことは、私の人生に大きな影響を与えた。私はこの時、セブへの移住を心のどこかで決めたのかもしれない。
あれから約20年の歳月が経ち、私は今、フィリピンにいる。フィリピン人の女性と結婚をした。この土地に骨を埋める。その覚悟でセブに来た。
私の故郷は、もうこのフィリピンになっている。
20年の間には、色々なことがあった。人生山あり谷ありだ。日本との違いに驚きながらも、少しづつこのフィリピンに順応していった。
その体験などを、ブログに綴って、何年後かにもう一度このブログを読み返そうと思う。
あの時、フィリピンに来る決断をして本当によかった。
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