今回は、日本の警察官とフィリピンの警察官について、まじめにを見ていこうと思う。
警察官になるまで
日本の場合
日本で警察官になる場合、高卒、もしくは、大卒の資格が必要でとなる。警察官採用試験を受け、合格した者は警察学校に入校し、警察官として必要な知識等を学ぶ。警察学校卒業後は、各警察署に配置されることになる。
フィリピンの場合
大学に警察官養成コースのようなものがあるようだ。そのコースを卒業すれば、警察官になることができる資格が得られる。その警察官養成コースは、私立の学校もあれば、公立の学校もある。私立は、警察官の制服などすべて込みの料金になっていることがほとんどで、公立は別途各自で購入をしなければならない。私立はお金のある若干富裕層が通うのだろう。
もう一つ、警察官になる方法があり、警察官養成コース以外のコースを卒業後、警察官採用試験を受け、警察学校に入校する方法だ。これは日本と同じである。
警察官になった後・・・
日本の場合
新人警察官は、正義感に満ち溢れている。警察学校で培った協調性や団結力を大いに生かし、職務を全うしていくのだが、現場を経験していくと、だんだん現実が見えてくる。手を抜くところがだんだんと分かってくるのだ。
だんだんと仕事をしなくなっていき、昇任することもあきらめているような、おちこぼれ警察官のことを警察社会内では「ゴンゾウ」という
しかし、ほとんどの警察官が、まじめに勤務をおこなって、昇任していく。
フィリピンの場合
大学の警察官養成コース卒業後、警察官になると、まずはミンダナオ島に飛ばされるらし、ミンダナオ島はイスラム教徒とフィリピン政府がいろいろとぶつかっている地域がある。修行のためか、危険な現場を経験させ、精神面を鍛えるためなのかわからない。
残念なことに、フィリピンは警察官の犯罪が非常に多い。最近は、少女にイタズラをし、それを少女が警察署に訴え出て、それに腹を立てたのか、イタズラをした警察官が、その少女が警察に訴え出た後の帰り道に、少女を殺してしまったという・・・。
その昔、フィリピンの警察官と言ったら、悪人というイメージで、外国人から金を巻き上げるなどの犯罪をやりまくっていたようだ。今は随分とまじめな警察官が増えたようなので、以前よりも警察官の犯罪も少なくはなってはいるだろう。
協調性、団結力
日本の場合
日本の警察官は、警察学校時代に協調性、団結力を植え付けさせられる。よって、仲間を非常に大切に思う傾向が強く、身内は守るという考えがある。20年以上前に起こった多くの警察官不祥事は、仲間の警察官を守るために行われたことであろう。日本の警察官は警察学校で苦労を共にし、同じ釜の飯を食った仲間を大切にする。
フィリピンの場合
この辺りは正直わからないが、日本に比べれば協調性、団結力等は弱いように思う。
拳銃の使用に関しては、フィリピン警察のほうが慣れているであろう。フィリピンでは犯罪が多い分、拳銃を使う確率が高い。日本の警察官は、拳銃は持っているがほとんど使うことはない。
警察用語
フィリピンの警察社会で警察用語というものがあるのかどうかはわからないが、日本の警察社会には、色々なその組織内だけで使う用語がある。テレビドラマなどでも登場するので、皆さんもよく知っていると思う。ここでは、2つの用語というか、言葉を紹介しよう。(この言葉は警視庁が使っていた言葉なので、他県警はどうかわからない)
気合
この「気合」であるが、この言葉に出会うのは、警察学校入校直後である。教官たちの会話から察するに、怒鳴ることかと思う。そして、この「気合」をワンランクレベルアップさせた言葉が、「ど気合」と呼ばれる言葉だ。「ど」の部分を漢字に直すと、恐らく「怒気合い」になると思われる。
教官がよく、「あいつに気合入れてやった」とか言っていた。
訳すと恐らくこうなる。
「あいつに怒鳴ってやった」
怒鳴ることによって、怒鳴られた相手は「はっ」とし、我に返る効果があるのであろう。気合を入れれば、「はっ」となる。この言葉は、現場での警察官に気を抜かせないようにするために作られた言葉かもしれない。
てれんこん、てれんこん
すでに察したかもしれないが、これは、モタモタしている行為のことを言うようだ。
使い方としては、
「てれんこん、てれんこん やってんじゃねぇ‼!」
意味は、「モタモタやってんじゃねぇ」ということだ。しかし、この「てれんこん、てれんこん」という言葉自体が、言いにくく、言い終わるまで時間がかかるので、普通に「モタモタするな」とか言った方がいいような気がする。「てれんこん、てれんこん」は聞いててこっちがイライラしてくる。
これも伝統なのだろう。
今後
日本においては、まだ警察官という職業は人気がある。テレビドラマなどの影響が強いのかと思う。
フィリピンは、ドゥテルテ大統領になってから、警察官の給料が一気に改善されたようだ。やはり危険な現場で仕事する職業の割には、給料が安かったのと、給料が安いければ、悪さをしてでもお金を手に入れようとするだろう。給料の改善は必要だったのだ。
おまけに、警察官になれば、権力も手に入れることができるので、これも人気の職業になる理由の一つなのかもしれない。
両国の警察官には、今後も是非、治安維持のために頑張ってもらいたいと思う。
特にフィリピン・・・
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