近年、セブのマクタン島はリゾート開発が進み、多くのリゾートが建設されている。
多くのリゾートができ、雇用が生まれ、そこで働く人たちが住むアパート、コンドミニアムなども多く建てられた。
私は、セブに移住した時、最初はアパートの一室に住んだ。しかし、その部屋の壁は、かなり薄いものだった。隣の部屋に一週間だけ滞在した日本人男性のことを思い出した。
アパートでの生活開始

私がセブに移ったのが2004年のことだった。当時住んだアパートは、セブに移ったのが2004年のことだった。
当時住んだアパートは、16平米くらいだったか、結構広く感じる部屋だった。部屋にはクイーンサイズだろうかベッドとクローゼットが置いてあり、キッチン、バスルームもある。家賃は一月4500ペソ、日本円で約1万円ほどだ。
場所は、一番リゾートが多く立ち並んでいるマクタン島のマリバゴ地区。すぐ近くにはブルーウォーター・マリバゴという旅行者には人気のあるリゾートがあった。
ローカルのアパートなので、日本のようにきれいではなかったが、生活するには問題はなかった。
生活をするのに必要なものを買い揃えるというのは、結構楽しいものだ。ショッピングモールに行って、キッチンに置くガスコンロ、食事用のテーブル、食器類、掃除をするためのホウキなどを購入し、アパートに持ち帰って、セッティングなどをする。
今、マクタン島にはいろいろスーパーマーケットなどが多くあるが、当時は、デパートらしいものといえばガイサノ・マクタンと呼ばれているデパートくらいだった。
壁の向こう側の声
アパートで暮らし始めて、何カ月か経ち、生活にも慣れてきた。
私の隣にも部屋があったが、ずっと誰も住んでいなかったようだ。私の住んでいたところは、夜になると結構静かになったので、睡眠は十分にとることができる環境だった。
ある日、隣の部屋から人の声がする。どうやら誰かが入居したようだった。日本語が聞こえたので、どうやら日本人のようだった。
この時初めて気づいたのだが、隣から聞こえる声は、かなりクリアに聞こえる。大して大きな声を出してなくても聞こえる。
アパートの壁は、かなり薄いことがわかった。
向こうの声は丸聞こえ、ということはこちらの声も、向こうに丸聞こえということになる。
毎晩、あの声
隣に住み始めた日本人は、どうやらリピーターの旅行者かなにかで、アパートに一週間の滞在だという。30代後半くらいの男性だった。
困ったことが、その男性が来てから2日目の夜から始まった。
その日本人が、夜、アパートの部屋に女性を連れ込むのだ。もう声が丸聞こえなので、眠ることができない。
7日間の内、4回女性を連れ込んでいた。そのうちの一人は、アパート到着後に、「あの日」だから無理だと言ってきたようで、日本人が激怒しているのがもろに聞こえた。
また、他の1回は、一瞬で終わったらしく、女性から「FINISH? FINISH?」と言われていた。
一人目 → 成功
二人目 → あの日と言われ、失敗
三人目 → 成功
四人目 → 速攻終了
行為終了後には、男性の身の上話をベッドの上でしているのが聞こえた。
3人の女性に対して、話す内容が同じだった。壁からクリアに私の部屋に聞こえるので、その話も私の耳に入ってくる。3回も同じ話を聞いていたら、私もその話の内容を覚えてしまった。
今でも覚えている身の上話の内容
女生徒の行為が終わった後の、彼の身の上話。3回も同じことを聞けば、内容を覚えてしまう。
その日本人には奥さんと子供2名がいるようだった。
彼は何不自由ない生活を送っていたと思っていた。しかし、ある日突然、奥さんが子供二人を連れて、家から出てってしまったらしい。
理由もわからず出ていかれたかれば、奥さんが自分の実家にいることを突き止め、実家に行って奥さんと話をしたという。
何故だ、何故だと奥さんに奥さんに聞くが、奥さんはじっと黙って何も言わなかったそうだ。
何回か奥さんの実家に言って話をしようとしたが、結果は同じで、最終的に別れてほしいと言われたのだという。
日本人が、話の途中で、女性が色々と男性に聞いている。同情でもしているのだろうか。
アパート滞在最終日
日本人男性のアパート滞在最終日になった。どうやら宿泊場所を変えるため、どこかに移動するらしい。
奥さんと子供もセブに来ているようだった。合流するのだろう。
私を含め、アパートの他の住民と挨拶をし、その日本人は去っていった。
彼が去って行ったあと、アパートの住民たちの愚痴が一気に爆発した。
毎晩女性を連れ込んでいたので、「何だあいつは」と思っていたこと。
あの声が下の階まで聞こえてうるさかったこと。
海外に来たからと言って、あまり羽目を外しすぎると、よろしくないなと思う出来事だった。
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